2025年4月22日(火)
こんにちは!星圭太です!
春の柔らかい陽射しが心地よくなってきたある日、私は奈良県にある「しあわせの森公園」へ芝桜を見に行こうと、車を走らせていました。目指すは「道の駅かつらぎ」の近くにある、あの芝桜の名所。ナビも設定済み、気分も上々。
──が、しかし。
道中、ちょっとした油断でルートを間違えてしまい、「葛城IC」からまさかの高速道路にイン。えっ? なんで私、こんなところに? と思った時には時すでに遅し。方向は完全に反対、大阪方面へ。しかも高速料金まで発生してしまい、ちょっと悔しい気持ちに。
そんなとき、ふと目に入った看板が「JA大阪南 あすかてくるで 羽曳野店」。
「せっかく高速代も払ったし……寄っていくか」
そんな軽い気持ちで立ち寄った場所が、想像をはるかに超える“園芸の楽園”だったんです。

■ まるで小さな植物の博物館。驚きとときめきが詰まった園芸コーナー
建物の横手に広がる園芸コーナーに足を踏み入れた瞬間、そこには季節の花々と緑に包まれた癒しの空間が広がっていました。

まず目に飛び込んできたのは、「苔」の詰め合わせ。発泡スチロールのトレイに、何種類かの苔がギュッとセットされていて、そのまま庭石に乗せたくなるような自然の趣が魅力的。苔の種類までは詳しくなかった私も、思わず足を止めてしまう不思議な引力。価格は税込1000円と、手が出しやすいのも嬉しいポイント。

次に目を奪われたのは、「ウラシマ草」。
この植物、ご存知ですか? 細長い“釣り糸”のようなものが花から飛び出している、なんとも不思議で妖艶な姿。その姿から“浦島太郎”を連想させることから名が付いたとか。まさか園芸コーナーで出会うとは思っていなかっただけに、ちょっとした興奮を覚えました。こちらも税込1000円と、リーズナブル。


さらに「花イカダ」という珍しい植物も。
葉っぱの上にちょこんと咲く小さな花がなんとも可愛らしく、花が“いかだ”に乗っているような不思議な構造。私は初めて見たのですが、そのユニークさに思わず見入ってしまいました。価格は税込1500円。



■ 春の寄せ植え、色とりどりの風景に心がとろける
4月下旬ともなると、園芸コーナーはまさに“花盛り”。色とりどりの花々が咲き誇り、歩いているだけで視界が華やかになります。
とくに心惹かれたのが、ラベンダー、イソトマ、アリッサム、ヒポエステスが一つの鉢にまとまった寄せ植え。小さな鉢ながらバランスが良く、淡い紫とピンク、白の花たちが絶妙な配色で並んでいます。これがなんと税込670円。市販の寄せ植えと比べても、かなりお得感あり。

さらに、色違いのバーベナが3株一緒に植えられたプランターが税込330円という破格。思わず「これで採算取れてるの?」と心配になってしまうほどの価格設定。コスパ抜群のこのコーナー、ガーデニング初心者から上級者まで楽しめる工夫が随所に感じられました。

■ 生産者の顔が見える安心感と、地域愛に満ちた店づくり
この園芸コーナーの素晴らしい点は、苗や花のほとんどが地元の生産者によって育てられていること。それぞれの商品には生産者の名前や育て方のポイントが丁寧に書かれたPOPが付けられており、買う人の安心感につながっています。
販売しているスタッフさんも親しみやすく、「この苔は半日陰が良いですよ」「ウラシマ草はちょっと日当たりに気をつけてね」と、気軽に声をかけてくれるのがまた心地よい。まるで昔ながらの商店街のような、温かな人とのふれあいにほっとする時間でした。
■ 園芸コーナーだけじゃない!魅力あふれる直売所も必見
園芸コーナーを堪能した後は、建物内の直売所へ。ここもまた、野菜・果物・お惣菜・パンなどが盛りだくさんで、思わずカゴがいっぱいに。地元産の野菜や加工品が並ぶ棚は見ているだけで楽しく、いちご大福や焼きたてのパンなど、買いすぎ注意ゾーンがそこかしこに(笑)
特に印象的だったのが、地元羽曳野のいちごを使ったジャムやゼリー。観光地価格とは無縁の、庶民的で良心的な値段設定にも驚きました。
■ 地元の魅力が詰まったもう一つの立ち寄りスポット「タケル館」
「あすかてくるで 羽曳野店」を後にする前に、すぐお隣にある「タケル館(はびきの市 商工物産館)」にもふらっと立ち寄ってみました。
ここは羽曳野市の地元産品を集めた物産館で、地場野菜や加工品、お土産にぴったりなクラフト商品などが並んでおり、規模はコンパクトながら中身は充実。
特に印象的だったのは、館内にある「ばいせん工房 珈琲倶楽部」。
この喫茶コーナーでは、ちょっと変わり種のご当地パフェが楽しめるとのこと!
その名も「古市古墳パフェ」。古墳とパフェという、異色の組み合わせに興味津々。
さらに「南河内産いちじくパフェ」という地元特産を使ったパフェもあり、見た目もユニークでおいしそう…!

残念ながら今回はスイーツタイムには至らず、食べることはできませんでしたが、
壁に貼られた写真を見るだけでも満足感があり、「次回は絶対に味わってみたい」と思えるメニューでした。
■ 多目的広場までのお散歩で、季節の移ろいに触れる
タケル館の裏手には「多目的広場」という開放的なスペースが広がっています。
この広場へ向かう道すがら、少し足を伸ばしてお散歩タイム。


道端の草木を眺めながら歩いていると、一株だけですがなんと早咲きのアジサイが咲いていました。
思わず足を止めて、じっくりとその姿を鑑賞。まだ4月下旬だというのに、季節を先取りしたような花にちょっと感動。

さらによく見ると、周囲にはまだ蕾も見せない若いアジサイの葉が多数。
この先、5月末から6月にかけて、ここ一帯がアジサイで彩られるであろう光景を想像すると、
「次は梅雨どきに訪れてみたいな」と、心の中に小さな楽しみが生まれました。


■ 羽曳野で見つけた、小さな出会いの連続
目的地を間違えた旅路のはずが、思いがけず心がほどけるような植物との出会いや、
地元の名物たちに触れる体験ができて、むしろ“ラッキー”と思える時間に。
「JA大阪南 あすかてくるで 羽曳野店」の園芸コーナーの美しさと珍しさはもちろん、
そのすぐ隣にある「タケル館」や広場周辺の自然まで含めて、羽曳野という街に魅了されました。
季節を変えて、またここに来たい。
アジサイの咲く頃、そして今度こそ古墳パフェをいただくために——。
■ そして、もう一度“本来の目的地”へ
園芸コーナーに寄り道して、気分もお土産も満載になったあと、私は再びナビを再設定し、今度こそ間違わないように「しあわせの森公園」へ向かいました。下道でのんびりとドライブしながら、やっとたどり着いた公園では、見事な芝桜が出迎えてくれました。

ピンク色……一面に広がる絨毯のような景色に、思わず息をのみました。
けれど心の中で、「今日一番ときめいたのは、あの迷い訪れた園芸店だったかもしれない」と思っている自分がいたのも、事実です。
■ おわりに:間違って良かった、そんな日もある
予定とは違う一日。でも、それはそれで特別な一日になった。
「葛城IC」から高速に乗ってしまった、そんな小さな“失敗”が連れてきてくれた、思わぬ出会いと発見。「あすかてくるで 羽曳野店」の園芸コーナーは、ただ植物を売るだけの場所ではなく、心をほぐしてくれる癒しの空間でした。
もし近くに行く機会があれば、ぜひ立ち寄ってみてください。
珍しい植物に出会えるかもしれませんし、もしかしたら、あなたの“うっかり”が、素敵な旅の思い出に変わるかもしれませんよ。
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